ユニファイター: 開発秘話

おそらく史上初であろうジェネレータ系ワンキー対戦格闘ゲーム(笑)の Unifighter ですが、 この作品が生まれるまでには、解の公式ぐらい複雑な経緯があったりします。  たぶんそんなことに興味はある人はほとんどいないでしょうが、せっかくなのでたっぷり語らせてください。  でも、このページが表示されているということは、やっぱり少しは興味がおありかな!?  まあとにかく、お時間があればサラッと読んでってください。(^^)

まず最初に、Unifighter は構想の時点でかな〜り試行錯誤したことに触れておきます。

このゲームの「原型」となった案は”キャラクターメーカー(仮)”というものでした。  これは、ユーザーに名前と簡単なプロフィール(年齢とか趣味とか)を入力してもらい、 それによって「イメージキャラクター」を生成し、それを使って何らかのゲームをする、という感じのものでした。 (例えば、「太郎」という名前を入力すると「太郎マン」というマスコットが作られる、みたいな)

入力した文字列などから何かを生成するというのは、今でこそ一般的ですが、 これを思いついた当初はそういうものがほとんど知られていなかったため、 「これって斬新じゃない!?」と勝手に妄想してました。(実際はそうでもなかったのですが(^^; )

まあ、キャラクターをランダムに作るだけなら、数字を入力して作ることもできますが、 「130485番のキャラ」とか言ってもピンと来ないので。。  文字列でも数字でも内部的な処理はほとんど変わらないんですけどね。

ただ、この”キャラクターメーカー(仮)”にはいろいろな問題がありました。  そもそもどうやってイメージキャラクターを機械的に生成するのか、それを使ってどんなゲームをするのか、 キャラの生成とゲームという2つの要素をどうやって1つの作品に融合させるか、など・・・。

結局、この案は実現されず、しばらくの間忘れ去られることになりました。

その後、自分が今まで作ってきたもの(注:作者は一応「クリエイター」です)の集大成的作品を作りたいこと、 自分が無類の格闘ゲーム好き(ただし、プレイヤーとしては下手なので観てるだけのことも多いw)であること、 ジェネレータ系のコンテンツが流行していたこと、そしてオリンピックが開幕すること(関係ない)などが重なり、 ”キャラクターメーカー”の案を元にした対戦型ゲームの構想が浮かんできました。  これが Unifighter のはじまりです。

ちなみにこのタイトルですが、unique と fighter をくっ付けただけで、そんなに深い意味はありません。  個人的に uni という言葉がなんとなく好きだったので、すぐに決まりました。  ・・・と言いつつも、当初は別の名前を考えており、ある理由でボツになったのですが。(これは秘密ということでw)  あ、言っておきますが、「ウニファイター」ではないですよ!! 念のため。。

この時点での Unifighter は今のとは少し違い、普通の2D格闘ゲームのように 自由に動き回って戦うゲームを想定していました。 (もちろん、文字列からキャラの能力を決定する概念は同じです)

ただここでも、キー認識の問題やCOM思考の実装の難しさ、当たり判定処理など、多くの課題がありました。  なんとかそれらを解決する手段を模索していたところ、戦闘の方式を少し変えるという結論に辿り着きました。(←いや、解決できてないってw)  実際には、ここまで来るのにかなり時間が掛かってしまい、「ボツ案」を述べていたらキリがないくらいです。(笑)  というか、試しに作ってしまったものもいくらか。。  最終的にそのまま使われた部分もあるので、完全に無駄にはならなかったのが救いです。

とにかく、「昔のゲームでもボタンは2つはあったけど、格闘ゲームに複数のボタンが必要だなんて誰が決めたっ!?」 ということで「手軽に遊べるワンキー格闘ゲーム」が(頭の中で)完成しました。

これにより、キャラの操作に関する処理が大幅に楽になり、ようやく本格的に制作をスタートできたわけです。  で、ここから本当に完成するまでまた時間が掛かってしまうのですが・・・その辺は無駄に長くなるので省略します。  とりあえず、最後の最後まで仕様変更の連続だったことと、開発はバグとの格闘であったことは事実です。(良いクリエイターの皆さん、制作は計画的にっ!)  例えば、決闘モードなのに試合結果が変わってしまう現象が発生したり・・・。  そういったこともあって、ドラクエのごとく予定していた公開日から大幅に遅れてしまいました。。

と、ここまでは作者が自分の作品について考えたことでしたが、 Unifighter はオリジナルとオマージュのコラボとでも言うべき作品であり、 意図的または結果的にいろんな作品に通じる要素を持っていると思っています。

ここからは、その辺を書いていきたいと思います。  もしこの中に知らない作品があったら、その名前で検索してみてください。  詳しいことがわかりますよ〜。

スマブラ

「スマッシュブラザーズ」は任天堂から発売されている大人気の対戦型ゲームシリーズです。  格闘ゲームではなく、格闘ゲームの流れを汲むアクションゲーム、といったところでしょうか。  ”相手の体力を奪えば勝ち”ではなく、”場外まで吹っ飛ばせばKO”というのがなかなか斬新です。

このゲームの魅力は、その面白さはもちろんですが、”オールスターゲーム”であることも挙げられます。  つまり、このゲームでは、任天堂の人気キャラクター達がシリーズの枠を超えて共演するのです! (最近は他社のキャラもゲストとして参戦してます)  見たことのない人はぜひ見てほしいですし、遊んだことのない人はぜひ遊んでみてほしい作品です。

それで「そのスマブラが Unifighter とどう繋がるの?」という話ですが・・・。  実は Unifighter の制作にあたり、ある全く別のゲームの構想が影響を与えた部分がありました。  そのゲームというのは、ある業界の有名人をイメージしたキャラクター達が戦う格闘ゲーム、というものです。  これは、自分で制作する作品の候補ではなく「こんなゲームが現実にあったらどうか?」という単なる妄想です。(笑)

というのも、このような作品は社会に認められるはずがないからです。  一般のユーザーには、実在する人物が攻撃しあう内容にしか見えないわけですから、「不謹慎ゲーム」として扱わるでしょうし、 何より本人や芸能人の所属事務所が許可するわけないです。(まあ、中にはOKする人もいるかもしれませんが...)  ジャンルが格闘でなくても、実在する有名人をモデルにしたキャラが登場する作品自体が非常に珍しいのが現実です。

しかし、それはスマブラにもある程度当てはまることでした。  マリオとピカチュウが殴り合うシーンなどファンは観たくなかったかもしれない。  でも、それを解消する考え方があったのです!

それは、勝負が「戦い」ではなく「競技」であるということ。  つまり、彼らは決められたルールのもとで試合をしているだけで、相手が悪者だから攻撃しているわけではない、という考えです。

そして、それは Unifighter も「業界オールスターゲーム」の構想でも同じです。  Unifighter を遊んでいただければおわかりいただけると思いますが、 打撃攻撃は基本的に見た目には直接ヒットしないようにしていますし、 技の動きやエフェクトもコミカルなものに限定しました。(現実世界ではあり得ないようなもの、が基本ですね)

Unifighter は「世界に1つだけのキャラ」が参戦するゲームであり、史上最多のキャラが使える格闘ゲームということもできます。  そういう意味では、「業界オールスターゲ−ム」の構想を少しだけ実現できたかもしれません。  文字列から無機質にキャラを生成するだけなので、達成度は本当にわずかですけどね...。

それ以外にも、Unifighter にはスマブラっぽい要素がいくつか入ってます。  やったことある人なら気づいてくれる・・・かな???

ジョイメカファイト

・・・って何? という人が多いのかなぁ・・・。  ファミコン用に発売された(ちなみにスーファミのストUより後だったりします)数少ない任天堂の格闘ゲームで、 シリーズにならなかった単発の作品です。(開発が任天堂じゃないことも関係してる?)  パッケージを見た時点で気になっており、遊んでみて感銘を受けました。  もう15年も前の作品ですが、選択できるキャラが多い上にCOMもなかなか手強く、完成度は高いです。  キャラはすべてロボットなのですが、可愛いロボも奇妙なロボもいて、見てるだけでも面白いです。  それにより、全体的に万人向けな雰囲気にもなっています。

このゲームの最大の特徴は、キャラの動きの表現にあると思います。  通常、人型のキャラを表現するときは、棒人間のようなものがベースになりますが、 ジョイメカファイトでは頭や手などの体のパーツが完全に分離されています。  これにより、滑らかで豊富なモーションが実現されています。 (その反面、静止画だとロボットにすら見えないという問題もありますが^^;;)  まあ、最近は3Dゲームが主流なのでこのような表現手法を使う必要は無くなりましたがね。

で、それが Unifighter にも共通しているという話です。(笑)  Unifighter の場合、キャラの見た目を少しずつ変えて違いを表現する必要があったため、これがさらに重要でした。 (もし「棒人間」だったら色と大きさを変える以外の方法が思いつきません)  何しろキャラが無表情ですから、モーションが命と言っても過言ではありません。

とにかく、ジョイメカファイトは最近の格闘ゲームに慣れた人でもやり応え十分だと思います。  Wiiのバーチャルコンソールでたったの500ポイント(円)でダウンロードできますので、未プレイの人はぜひ!  え? Wii本体が高いって!?

一般的な格闘ゲーム

ストリートファイターとかソウルキャリバーとか、個人的に馴染みのある格闘ゲームはいくつもあります。  マニアックなところでは「イー・アル・カンフー」とか。(一番好きなのは「ジョイメカ」ですがw)  ちなみに、Unifighter のネーミングはバーチャファイターを参考にしてたりします。

中身については、自身初の格闘風ゲーム制作(もちろん、構想だけならたくさんありましたよ!)ということで、 なるべく自分らしい作品になるように工夫したつもりです。  例えば、技なんかは他のゲームであまり見ないようなものを多く取り入れてみました。

と言っても、やっぱりどこかでいろんなゲームの影響受けてるなぁ・・・とも思ってしまいます。  「格ゲーの飛び道具と言えば?」と言われるとすぐに「波動拳!」を思い浮かべてしまうように、頭の中に入り込んでいるんだと思います。

あと、格闘ゲームは暴力的な印象を持たれているのかもしれませんが、実は意外と平和的だったりします。  だって、基本的にどのキャラも使いこなせばそれなりに強くて、仲間外れがいない。  いつでも相手は反則せずに(たまにする人もいるけどw)勝負してくれるし、 弱いと言われているキャラをうまく使って勝った時の達成感はなかなかのものです。  そして、同時に特別なキャラへの愛着も生まれるわけで。  もちろん、勝つだけが全てではないとも思いますが。

これが他のジャンルのゲームだったらどうですか?  クリボーがどんなに頑張ってもファイアマリオには勝てませんし、スライムが全力で戦っても勇者には負けます。(笑)  格ゲーというジャンルは衰退しているなんて言われてますが、まだまだ捨てたもんじゃないですよ〜〜。

ところで、必殺技発動時にキャラの顔が画面を横切る演出は Unifighter でも何となく採用したのですが、あれの元祖って何なのでしょうか?  結構気になってます。 やっぱりファミコン時代? もっと前?? 誰かご存じでしたら教えてください〜。

Ozawa-Ken

Ozawa-Ken (オザワケン)は、有名なフリーソフトのタイピング練習ゲーム。  タイピングで相手を攻撃するという格闘ゲーム風の仕上がりなので、ゲーム感覚で練習できるのが魅力です。  Unifighter とはジャンルも目的も違うのですが、2人が向かい合って戦うという画面構成が結果的に似た感じになりました。  溜めることで必殺技が出るのも共通していますしね。

ただ、Ozawa - Ken と違って Unifighter は必殺技以外でも飛び道具が出てくるので、 「立ち位置」については微妙〜な問題があったりします。  近接攻撃が届く距離にいる相手に向かって飛び道具を使うのはおかしいですよね。  「遠隔打撃」という概念にはそれを強引に解決する意味もあったのでした。

つまり、Ozawa - Ken は合理的で、Unifighter は非合理です。(笑)  と言うか、Ozawa - Ken は比べるだけで失礼なほど優れたソフトなので、やったことない人は今すぐプレイ!  もう一度言いますが、フリーソフトですよ〜。 やらなきゃ損!!!

ジェネレータ系のコンテンツ

流行りましたよね、コレ。(笑)  「脳内メーカー」や「成分解析」をはじめとする、主に名前から結果を表示するWebコンテンツの数々。  全く根拠は無いのについ一喜一憂してしまったりして、「占い系」や「診断系」とも呼ばれました。

実は作者も、Unifighter の前には「脳内」をパロった作品を二、三個作って公開していました。  ジェネレータ系が流行ることがわかっていたのかいないのかわかりませんが、 文字列から何かを生成するプログラムが既に作ってあったので、 ついついそんなものを作ろうと思ってしまったのです。(あんまりウケませんでしたが^^;)

ちょっと前だったら「文字列(名前)から内容を生成する」なんて言ってもピンと来なかったでしょうが、今ではもう普通になってますよね。  さすがにたくさん出すぎて飽和状態な感もありますが。。  でも、占いともジョークとも違う Unifighter が生まれた背景には、多くのユニークな「占い系コンテンツ」があったのは事実です。

そういえば、名前でキャラの強さが変わるのは、ドラクエ1の主人公もそうでした。(^^;  名前同士で決闘するという試みも、ずいぶん前にあった模様。  でも、魔王との決戦は「コロンブスの卵」だと自負しているのですが・・・どうなのかな!?

このように、ゲームを語りだしたら止まらない作者ですが、Flash でゲームを作ったのは初めてだったりします。 (使った Flash の機能はほんの一部かもしれません^^; 内部的にはいろいろ実装したのですが...)

他の部分で言うと、入力した名前を蓄積して再利用するシステムを実現できたのは良かったと思います。(コロンb、以下略)  「動的処理」と「静的処理」を組み合わせたことにより、より「集大成」っぽくなりました。

逆に、候補にはなったものの諸々の理由で結局実現できなかった要素も数多くあります。

1人のキャラを2人で協力して操作するモード(相性診断?)

チーム戦(複数体が同時に登場、とか)

プレイヤーキャラの名前に関連性のある名前が自動的に対戦相手になるシステム

名前以外のデータを入力し、それによってキャラが変化する。  例えば、年齢によって年寄りっぽくなったり、出身地によって喋る言葉が方言になったり。  同じ名前でも違いが出てくるので「自分だけのキャラ」っぽくなりそう。

自分でキャラを好きなように作れる(ライトゲーマーには向かないけど、システムが活かされるし、任天堂の「Mii」みたいに感情移入できるかな〜、と)

Webを利用し、名前に関係のある文字列を自動取得するシステム(無理?)

名前入力で予想される文字列の候補を表示してくれるシステム(Web検索みたいに)

稀に出現する人型以外のキャラ(犬とか)

キャラ出場条件付きモード(見た目が太っているキャラ限定(笑)、とか)

各キャラの勝利ポーズやホームステージ、COM思考などの違い(ある程度作ったが使われていない)

技解説モード(キャラの持ち技を説明してくれる)

同じ名前のキャラが対戦すると色違いになる(立ち位置が固定なので必要性が薄かった)

脳トレやタイピングなどで操作するモード

COMの思考の最適化(ワンキーなので強くするのも弱くするのも難しい)

キャラのジェネレータの最適化(強さや選択される要素のバランスが若干悪い気が...)

自作のサウンドを含ませたかった。

上記のようなことを踏まえ、続編でも作れたらなぁ、と(また)妄想してます。  望んでいる人はいるかどうかは別として・・・。  ただ、はっきり言って作者には大した制作能力はなく、 そんなクリエイターがひとりで出来ることには限界があるので、 チーム制作でもできれば良いのですが。 (グラフィック担当とかモーション担当とか...)

とにかく、別に Flash じゃなくても格闘ゲームじゃなくてもいいので、 「こんなのあったら面白そう!」とか「新しい技を考えた!」とかありましたら作者までご連絡ください。  奇跡が起こってシリーズ化が現実になるかもしれませんよ〜。(笑)

とか言ってるうちに、続編をまた1人で作ることが決定してしまいました。  というわけで、お楽しみに!

さて、ついつい筆ならぬ指が走って長くなってしまいました。。  この中の何を覚えておいてください、なんて言いません。  ただひとつだけ、こんなゲームがあることと、こんなゲームを作った奴がいるということだけ忘れないでいただければ十分ですw  どうでもいい開発裏話を最後までご静読(?)いただき、本当にありがとうございました。m(_ _)m